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システムの引き継ぎチェックリスト|開発会社を変えるときに確認する25項目

保守契約を別の会社に切り替える。開発会社を変える。担当していた社員が辞める。こうしたとき、何を受け取っておけばよいのかは、意外と誰も教えてくれません。

受け取り漏れは、たいてい数年後に「もう誰も直せない」という形で表面化します。そのときには、引き継ぎ元はもう連絡が取れません。

このページでは、確認すべき25項目をチェックリストにしました。そのままコピーしてお使いください。

引き継ぎで失敗する3つのパターン

  • 1. プログラムはもらったが、動かし方が分からない

    ソースコードだけ受け取っても、どのサーバーに、どういう設定で置けば動くのかが分からなければ使えません。「構成が書かれた資料」がセットで必要です。

  • 2. サーバーやドメインの名義が開発会社のまま

    いちばん怖いのがこれです。更新の案内は開発会社に届くので、契約が切れたことに気づくのはシステムが止まった日になります。

  • 3. 業務のルールが誰にも引き継がれていない

    「この場合だけは別処理」という決まりは、プログラムの中に埋まっています。それを日本語で書いた資料がないと、次の会社は動きを一つずつ解読することになり、費用が跳ね上がります。

すでに連絡が取れなくなっている場合は「開発会社と連絡が取れなくなったときの対処法」をご覧ください。

木の机に置かれたリングファイル

コピーして使えるチェックリスト25項目

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引き継ぎの打ち合わせに、そのまま持ち込める形にしてあります。受け取れたものにチェックを入れてください。

■ システム引き継ぎチェックリスト 【A】契約と権利 □ 1. 開発契約・保守契約の原本 □ 2. プログラムの著作権が誰に帰属するか □ 3. 第三者のソフトを使っている場合のライセンスと費用 □ 4. 秘密保持契約の範囲と期限 □ 5. 保守の範囲・期限・解約の条件 【B】アカウントと契約先 □ 6. サーバーの契約先・契約名義・更新日 □ 7. ドメインの契約先・契約名義・更新日 □ 8. SSL証明書の発行元と更新日 □ 9. 管理者のID(サーバー・管理画面・データベース) □ 10. 外部サービスのアカウント(決済・メール配信・地図・SMSなど) □ 11. 使っているAPIキーの一覧と、どこで発行したか 【C】プログラムと資料 □ 12. プログラム一式(ソースコード) □ 13. どこに置いて、どう動かすかを書いた資料 □ 14. 画面の一覧 □ 15. データの項目一覧(テーブル定義) □ 16. 業務のルールを日本語で書いた資料 【D】データ □ 17. 本番データの書き出し(CSVまたはデータベースの丸ごとの控え) □ 18. 添付ファイル・画像の実体 □ 19. データの保管期間と削除の決まり □ 20. 個人情報の範囲と、扱いに関する取り決め 【E】運用 □ 21. 定期作業の一覧(バックアップ・締め処理・年次処理) □ 22. 障害が起きたときの連絡先と手順 □ 23. 過去の不具合と、その対応の記録 □ 24. 利用者向けのマニュアル □ 25. 次回の更新・改修の予定と、その見積もり

25項目すべてがそろうことは、実際にはほとんどありません。最低限、6・7・9・12・17の5つ(サーバー、ドメイン、管理者ID、プログラム、データ)だけは必ず押さえてください。この5つがあれば、最悪の場合でも作り直せます。

いつ受け取るのがいちばん安いか

答えは納品のときです。関係が良好で、担当者も内容を覚えているうちに受け取るのが、いちばん確実で費用もかかりません。

引き継ぎ資料を受け取るタイミングと難易度
時期受け取りやすさ起きること
納品のときいちばん簡単契約に書いておけば、そのまま納品物として渡されます
保守を続けている間比較的簡単依頼すれば対応してもらえることが多い。ただし資料の作成費用を求められることがあります
解約を申し出たあと難しくなる契約に書いていないものは渡す義務がありません。交渉になります
連絡が取れなくなってからほぼ不可能手元にあるものだけで進めることになります

次にシステムを発注するときは、この25項目を提案依頼書(RFP)の「提案してほしいこと」と契約書の納品物欄に入れておいてください。それだけで、将来の引き継ぎがまるごと楽になります。

「渡せない」と言われたときの考え方

断られる理由には、正当なものとそうでないものがあります。分けて考えてください。

渡せないと言われる理由と対応
言われることどう考えるか
著作権は当社にあるので渡せない契約書を確認してください。著作権の帰属を決めていない場合、原則として作った側に残ります。ただし「使う権利」は別なので、移行に必要な範囲での利用許諾を求める交渉はできます
他社製品を組み込んでいるので出せない正当な理由になり得ます。その場合も、自社のために作られた部分と、ライセンス情報は受け取れるはずです
資料は作っていないよくあります。責めても出てきません。代わりに、いまの画面と帳票を自分たちで記録してください。それが次の会社への資料になります
作業費がかかる妥当なことが多いです。作り直す費用と比べれば、たいてい安く済みます
データは渡せないこれは通りません。自社の業務データは自社のものです。書き出しを求めてください

交渉が難しい場合も、サーバー・ドメイン・管理者ID・データさえ自社で押さえられていれば、作り直しは可能です。そこだけは譲らないでください。

pegの進め方

pegでは、このチェックリストの内容を納品物として契約書に明記しています。プログラム、設計の資料、管理者の権限。すべてお渡しします。サーバーやドメインも、お客さまの名義で契約していただくことを原則にしています。

将来pegから別の会社に移ることになっても、困らないようにするためです。引き止めるための材料を握っておくやり方を取りません。理由は「大手のシステム会社と小さな会社は何が違うのか」に書いています。

また、他社が作ったシステムの引き継ぎだけをお受けすることもできます。いまの状態を確認したうえで、そのまま引き継いで保守するか、作り直したほうがよいかをお伝えします。判断の材料がほしいだけのご相談でもかまいません。

よくあるご質問

Q引き継ぎだけをお願いすることはできますか?

A

できます。いまのシステムの状態を確認し、引き継いで保守できるか、作り直したほうがよいかをお伝えします。ご相談は無料です。

Qソースコードを見せられても、自社では判断できません

A

判断する必要はありません。いまの画面と帳票、そして実際の業務が分かれば、こちらで状態を確かめられます。

Qいま保守してもらっている会社に、この項目を求めても失礼になりませんか?

A

なりません。むしろ、まともな会社ほど「当然のご依頼です」と応じます。嫌がられた場合、それ自体が判断材料になります。

Q契約書が見つかりません

A

経理の保管分と、過去の請求書を確認してください。請求書があれば、契約の相手先と保守の範囲がある程度たどれます。

Qこのチェックリストは自由に使ってよいですか?

A

ご自由にお使いください。出典の記載も不要です。社内資料に転記していただいてもかまいません。

受け取るものを揃えたあと、納品後の保守を誰がどう担うのかは業務システムの保守・運用は誰がやるのか|納品後に止まらない体制の決め方に整理しています。

あわせて読みたい 受け取ったデータを新しいシステムに入れる段になると、別の判断が必要になります。業務システムの入れ替えでデータ移行が詰まる5つのことをご覧ください。

まずは話すところから

仕様書がなくても、社内にエンジニアがいなくても大丈夫です。実現したいことを伺い、進め方と概算をご提案します。ご相談は無料です。