引き継ぎで失敗する3つのパターン
1. プログラムはもらったが、動かし方が分からない
ソースコードだけ受け取っても、どのサーバーに、どういう設定で置けば動くのかが分からなければ使えません。「構成が書かれた資料」がセットで必要です。
2. サーバーやドメインの名義が開発会社のまま
いちばん怖いのがこれです。更新の案内は開発会社に届くので、契約が切れたことに気づくのはシステムが止まった日になります。
3. 業務のルールが誰にも引き継がれていない
「この場合だけは別処理」という決まりは、プログラムの中に埋まっています。それを日本語で書いた資料がないと、次の会社は動きを一つずつ解読することになり、費用が跳ね上がります。
すでに連絡が取れなくなっている場合は「開発会社と連絡が取れなくなったときの対処法」をご覧ください。

コピーして使えるチェックリスト25項目
引き継ぎの打ち合わせに、そのまま持ち込める形にしてあります。受け取れたものにチェックを入れてください。
25項目すべてがそろうことは、実際にはほとんどありません。最低限、6・7・9・12・17の5つ(サーバー、ドメイン、管理者ID、プログラム、データ)だけは必ず押さえてください。この5つがあれば、最悪の場合でも作り直せます。
いつ受け取るのがいちばん安いか
答えは納品のときです。関係が良好で、担当者も内容を覚えているうちに受け取るのが、いちばん確実で費用もかかりません。
| 時期 | 受け取りやすさ | 起きること |
|---|---|---|
| 納品のとき | いちばん簡単 | 契約に書いておけば、そのまま納品物として渡されます |
| 保守を続けている間 | 比較的簡単 | 依頼すれば対応してもらえることが多い。ただし資料の作成費用を求められることがあります |
| 解約を申し出たあと | 難しくなる | 契約に書いていないものは渡す義務がありません。交渉になります |
| 連絡が取れなくなってから | ほぼ不可能 | 手元にあるものだけで進めることになります |
次にシステムを発注するときは、この25項目を提案依頼書(RFP)の「提案してほしいこと」と契約書の納品物欄に入れておいてください。それだけで、将来の引き継ぎがまるごと楽になります。
「渡せない」と言われたときの考え方
断られる理由には、正当なものとそうでないものがあります。分けて考えてください。
| 言われること | どう考えるか |
|---|---|
| 著作権は当社にあるので渡せない | 契約書を確認してください。著作権の帰属を決めていない場合、原則として作った側に残ります。ただし「使う権利」は別なので、移行に必要な範囲での利用許諾を求める交渉はできます |
| 他社製品を組み込んでいるので出せない | 正当な理由になり得ます。その場合も、自社のために作られた部分と、ライセンス情報は受け取れるはずです |
| 資料は作っていない | よくあります。責めても出てきません。代わりに、いまの画面と帳票を自分たちで記録してください。それが次の会社への資料になります |
| 作業費がかかる | 妥当なことが多いです。作り直す費用と比べれば、たいてい安く済みます |
| データは渡せない | これは通りません。自社の業務データは自社のものです。書き出しを求めてください |
交渉が難しい場合も、サーバー・ドメイン・管理者ID・データさえ自社で押さえられていれば、作り直しは可能です。そこだけは譲らないでください。
pegの進め方
pegでは、このチェックリストの内容を納品物として契約書に明記しています。プログラム、設計の資料、管理者の権限。すべてお渡しします。サーバーやドメインも、お客さまの名義で契約していただくことを原則にしています。
将来pegから別の会社に移ることになっても、困らないようにするためです。引き止めるための材料を握っておくやり方を取りません。理由は「大手のシステム会社と小さな会社は何が違うのか」に書いています。
また、他社が作ったシステムの引き継ぎだけをお受けすることもできます。いまの状態を確認したうえで、そのまま引き継いで保守するか、作り直したほうがよいかをお伝えします。判断の材料がほしいだけのご相談でもかまいません。
よくあるご質問
Q引き継ぎだけをお願いすることはできますか?
できます。いまのシステムの状態を確認し、引き継いで保守できるか、作り直したほうがよいかをお伝えします。ご相談は無料です。
Qソースコードを見せられても、自社では判断できません
判断する必要はありません。いまの画面と帳票、そして実際の業務が分かれば、こちらで状態を確かめられます。
Qいま保守してもらっている会社に、この項目を求めても失礼になりませんか?
なりません。むしろ、まともな会社ほど「当然のご依頼です」と応じます。嫌がられた場合、それ自体が判断材料になります。
Q契約書が見つかりません
経理の保管分と、過去の請求書を確認してください。請求書があれば、契約の相手先と保守の範囲がある程度たどれます。
Qこのチェックリストは自由に使ってよいですか?
ご自由にお使いください。出典の記載も不要です。社内資料に転記していただいてもかまいません。
受け取るものを揃えたあと、納品後の保守を誰がどう担うのかは業務システムの保守・運用は誰がやるのか|納品後に止まらない体制の決め方に整理しています。
あわせて読みたい 受け取ったデータを新しいシステムに入れる段になると、別の判断が必要になります。業務システムの入れ替えでデータ移行が詰まる5つのことをご覧ください。
まずは話すところから
仕様書がなくても、社内にエンジニアがいなくても大丈夫です。実現したいことを伺い、進め方と概算をご提案します。ご相談は無料です。
