まず確認する3つのこと
連絡が取れない理由によって、打つ手が変わります。次の3つを確かめてください。
1. 会社自体がなくなっていないか
法人が存続しているかは、国税庁の法人番号公表サイトや登記情報で確認できます。事業をたたんでいる場合は、担当者個人をたどるより、次の手に進んだほうが早いです。
2. 担当者だけが不在なのか
会社は続いていて、担当者の退職や異動で連絡が途切れているだけなら、代表番号や請求書の発行元へ連絡すると再開できることがあります。
3. 保守契約が切れていないか
契約が満了していて、そもそも対応の義務がなくなっているケースもあります。契約書の期間と自動更新の条項を確認してください。

押さえておきたい5つの情報
連絡がつくうちに、あるいは社内の資料から、次の5つを集めておくと、その後の対応が大きく楽になります。すでに連絡が取れない場合も、手元の請求書や過去のメールから、かなりの部分がたどれます。
| 情報 | どこにあるか | なぜ必要か |
|---|---|---|
| サーバーやドメインの契約先 | クレジットカードの明細、更新のお知らせメール | 止まると業務も止まる。名義が開発会社のままだと、更新できずに失効することがある |
| 管理者のIDとパスワード | 納品時の資料、担当者とのやり取り | これがないと、別の会社も中を見られない |
| プログラムと設計の資料 | 納品物の一覧、契約書の納品条項 | 引き継ぎの材料になる。手元になければ、今の画面と帳票が代わりになる |
| データの保管場所とバックアップ | サーバーの管理画面、運用の手順書 | 最悪の場合でも、データさえ取り出せれば作り直せる |
| 契約書と請求書 | 経理の保管分 | 保守の範囲、権利の扱い、支払いの状況を確認できる |
連絡が取れないまま使い続けるリスク
- 不具合が出ても直せる人がいない。締め切りのある業務ほど影響が大きい
- サーバーやドメインの契約が開発会社の名義のままだと、更新されずに突然止まることがある
- セキュリティの更新が止まり、個人情報を扱うシステムほど危険が増す
- WindowsやOSの更新に合わせた改修ができず、いずれ動かなくなる(Windowsのアップデートに業務システムが対応していないときの対処法)
いちばん急ぐのは「止まらないようにすること」
作り直しの検討より先に、サーバーとドメインの契約、管理者の権限、データの取り出しを自社の手元に確保してください。ここさえ押さえてあれば、あわてて発注先を決めずに済みます。
別の会社に引き継ぐ手順
- 1
今動いているものを記録する
画面をひととおり操作して、画面の写真や印刷した帳票を集めます。仕様書が残っていなくても、これが引き継ぎの資料になります。
- 2
止められない業務を決める
いつ、誰が、何のためにこのシステムを使っているかを一覧にします。引き継ぎ先に伝える最初の材料になります。
- 3
データを取り出して保管する
CSVなどで書き出せる範囲は書き出し、自社のパソコンや保管先にコピーしておきます。
- 4
引き継ぎか作り直しかを決める
プログラムが手元にあり、一般的な技術で作られていれば、引き継いで保守できます。中身が分からない、古い技術で作られている場合は、作り直したほうが結果的に早く安くなることもあります。
- 5
移行の期間を決めて切り替える
今のシステムを動かしたまま新しい仕組みを用意し、並行して使ってから切り替えます。
次の契約で同じことを防ぐ
次に発注するときは、契約書で次の点を決めておくと、同じことが起きても困りません。
- プログラム、設計の資料、管理者の権限を納品物として受け取る
- サーバーやドメインは自社名義で契約する(開発会社に代行してもらう場合も、名義は自社にする)
- 広く使われている技術で作ってもらう。その会社しか分からない独自の仕組みは避ける
- 担当が1人だけにならない体制か確認する
- 支払いを段階に分ける
会社の規模による違いと、契約で確かめたい点は「大手のシステム会社と小さな会社は何が違うのか」にまとめています。
pegの進め方
pegには、「作った会社と連絡が取れない」「仕様書が残っていない」という状態からのご相談も届きます。そうしたときは、今動いている画面、印刷している帳票、書き出したデータ、そして日々使っている方へのヒアリングを材料に、引き継ぎや作り直しを進めます。発注側でエンジニアを用意していただく必要はありません。
既存システムとヒアリングだけで会員管理システムを作り直した例は「日本眼科医会の会員管理システムを7か月で作り直すまで」でご覧いただけます。pegでは、プログラム・設計資料・管理者権限をすべて納品物としてお渡しし、納品後3か月以内の不具合は無償で対応することを契約でお約束しています。
よくあるご質問
Q開発会社が倒産しました。システムはどうなりますか?
すぐに止まるわけではありません。まず、サーバーとドメインの契約先と名義、管理者のID、データの取り出し方を確認してください。この3つを自社で押さえられれば、落ち着いて引き継ぎ先を選べます。
Qプログラム(ソースコード)が手元にありません。引き継げますか?
プログラムがなくても、今動いている画面と帳票、書き出したデータがあれば、同じ機能を作り直せます。まずは今の状態を記録することから始めてください。
Qサーバーの契約が開発会社の名義でした。どうすればよいですか?
サーバー会社に連絡し、契約の名義変更ができるかを確認してください。難しい場合は、データを取り出して新しいサーバーへ移す方法があります。更新日が近い場合は急いで動いてください。
Q引き継ぎだけをお願いすることもできますか?
できます。今のシステムの状態を確認したうえで、そのまま引き継いで保守するか、作り直したほうがよいかをお伝えします。無料のご相談からお気軽にどうぞ。
あわせてお使いください
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そもそも頼める相手がいなくなる状態を作らないための備えは業務システムの保守・運用は誰がやるのか|納品後に止まらない体制の決め方に書いています。
まずは話すところから
仕様書がなくても、社内にエンジニアがいなくても大丈夫です。実現したいことを伺い、進め方と概算をご提案します。ご相談は無料です。
