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システム開発の提案依頼書(RFP)テンプレート|そのままコピーして使える11項目と書き方

「何社かに見積もりを取りたいけれど、何を書いて渡せばいいのか分からない」。発注する側でいちばん多いつまずきが、ここです。

RFP(提案依頼書)は、本来エンジニアでなくても書けます。むしろ、技術の書き方を無理にまねると、かえって伝わらない資料になります。必要なのは「いま何に困っていて、どうなれば成功か」を、自分の言葉で書くことだけです。

このページでは、そのままコピーして使える雛形を、記入例つきで公開します。ダウンロードも登録も不要です。

RFPを書くと、何が変わるのか

  • 1. 見積もりが比べられるようになる

    同じ紙を渡していない相見積もりは、比べても意味がありません。A社は保守込み・B社は開発だけ、という形で金額の中身が違ってしまうからです。前提をそろえるのがRFPの一番の役目です。

  • 2. 「思っていたものと違う」が減る

    作り始めてからの食い違いは、最初に何を期待しているかを文字にしていないことから起きます。1枚でも書いてあると、開発会社は必ずそれを確認しにきます。

  • 3. 社内・理事会の合意が取りやすくなる

    協会や自治体では、稟議や理事会を通すために「なぜ必要か」を説明する資料が要ります。RFPはそのまま説明資料になります。

ノートにペンで書き込んでいる手元

決めなくていいこと、決めておくこと

RFPを書こうとして手が止まるのは、たいてい「仕様を決めなければいけない」と思っているからです。仕様は、開発会社と一緒に決めるものです。発注側が最初に決めるのは、次の3つだけで足ります。

RFPで決めておくことと、決めなくてよいこと
区分内容
決めておくこと① いま何に困っているか ② どうなれば成功と言えるか ③ 予算と期限、絶対に外せない条件
決めなくてよいこと画面の数、項目の一覧、使う技術、データベースの構造、細かい機能の仕様
書けるなら書くとよいこといま使っているシステムや道具、利用する人数、繁忙期、関係する規程やルール

「決めなくてよいこと」を無理に埋めると、かえって実態と合わない要求になり、見積もりが高く出ます。空欄のまま「ご提案ください」と書くほうが、良い提案が返ってきます。

コピーして使えるRFPテンプレート

ダウンロード版(Word)記入欄つきのテンプレートです。会員登録もメールアドレスの入力も不要で、そのままダウンロードできます。社内で自由に編集・配布いただけます。
Wordでダウンロード

下の枠の中を、そのままコピーしてお使いください。A4で2〜3枚に収まる分量で十分です。項目名だけ残して、中身は自社の言葉で書き換えてください。

■ 提案依頼書(システム開発) 1. 件名  (例:会員管理システム刷新に関する提案依頼) 2. 発注者  団体名/部署/担当者名/連絡先 3. 背景と現状  いまどんな仕組みを使っていて、いつから使っているか。  なぜ今このタイミングで見直すのか。 4. 困っていること  箇条書きで3〜5つ。件数や時間など、数で言えるものは数で。 5. 今回やりたいこと(目的)  これが実現できたら成功、と言える状態を2〜3行で。 6. 対象とする範囲  今回つくる範囲と、今回は対象外とする範囲。  迷う部分は「ご提案ください」と書いてよい。 7. いま使っているもの  システム名、Excel・Accessのファイル、外部サービス、  紙で回している書類。分かる範囲で。 8. 外せない条件  法令・規程の要件、個人情報の扱い、  既存システムとの連携、対応が必要な端末など。 9. 予算と時期  概算の予算枠(幅で可)、いつまでに使い始めたいか、  その時期にしたい理由。 10. 提案してほしいこと   実現方法/体制/スケジュール/費用の内訳/   納品物/公開後の保守/実績 11. 選定の方法と連絡先   提出期限、質問の受付期間と宛先、   選定の観点(価格・実績・体制など)、結果の連絡時期。

この11項目がそろっていれば、どの開発会社に渡しても同じ土俵で見積もりが出ます。逆に、ここから項目を減らすと比較できなくなります。

11項目の書き方と記入例

協会の会員管理システムを例に、実際の書き方を示します。自社の状況に置き換えてお使いください。

RFP11項目の書き方と記入例
項目書き方のコツ記入例
3. 背景と現状「いつから・誰が・どう使っているか」を時系列で2012年に構築した会員管理システムを事務局5名で使用。会員約12,000名。開発した会社との保守契約は2024年に終了
4. 困っていること数で言えるものは数で書く。感想ではなく事実を年次の会費請求に事務局2名で延べ40時間かかる/住所変更の反映が手作業/会員証の発行が外注で1件あたり時間がかかる
5. 目的「機能」ではなく「状態」で書く会費請求の作業を1/3に減らし、会員自身が住所変更を登録できるようにしたい
6. 対象範囲外すものを書くほうが役に立つ対象:会員情報・会費請求・会員向け画面/対象外:会計システムとの自動連携(今回はCSV出力まで)
7. いま使っているものファイル名まで書くと精度が上がる会員管理システム(社名不明)/Excel「会費管理2025.xlsx」/会計ソフト○○/郵送ラベルは別ソフト
8. 外せない条件規程・法令は条文名まで個人情報保護法に基づく安全管理措置/定款第◯条の会員区分に対応/事務局はWindows、会員はスマートフォン利用が多い
9. 予算と時期幅でよい。理由を添える500〜800万円を想定。2027年4月の会費請求から使いたいため、2027年2月末までに稼働
10. 提案してほしいこと費用は「内訳つきで」と明記する費用は要件定義・設計・開発・テスト・移行・保守に分けてご提示ください
11. 選定方法質問の受付期間を必ず設ける提出期限◯月◯日/質問は◯月◯日まで(メール)/価格・実績・体制・保守内容で評価

見積もりを受け取ったあとの読み方は「システム開発の見積もりの読み方」にまとめています。

よくある失敗5つ

  • 機能を並べただけになっている:「検索機能」「一覧機能」と書いても、何のために必要かが分からないと、開発会社は一番安く済む解釈で見積もります
  • 予算を書かない:「言うと足元を見られる」と思われがちですが、逆です。枠が分からないと各社が別の規模で提案してしまい、比較できません
  • 期限の理由を書かない:「3月末まで」だけでは、動かせる日程か分かりません。「4月の会費請求に間に合わせたい」と書けば、代替案が出てきます
  • いまの資料を出し惜しみする:画面の写真、帳票、Excelの実物。これを見せるのが、どんな説明文より早く正確です
  • 質問を受け付けない:質問できないRFPには、各社が保険をかけた高い見積もりを出します

予算を書くかどうかで迷ったら

枠を書いてください。金額を伝えると上限いっぱいで出してくる会社は、そもそも選ばないほうがよい相手です。まともな会社は「この予算ならここまで、超えるならこの部分」と分けて提案してきます。予算の考え方は「予算500万円以内で業務管理システムを作る方法」に書いています。

渡したあとの進め方

  1. 1

    3〜5社に同じ資料を渡す

    多すぎると読む側も選ぶ側も消耗します。規模の違う会社を混ぜると、価格帯の相場がつかめます。

  2. 2

    質問期間を1〜2週間とる

    質問と回答は全社に共有します。ここで出てくる質問の質が、その会社の理解度を表します。

  3. 3

    提案を受け、説明の場を設ける

    書面だけで決めないでください。1時間でも話すと、担当者が業務を理解しているかどうかが分かります。

  4. 4

    金額だけで決めない

    納品物に何が含まれるか、担当が1人ではないか、公開後の対応はどうか。この3点は必ず確認してください。詳しくは「大手のシステム会社と小さな会社は何が違うのか」に整理しています。

  5. 5

    選ばなかった会社にも連絡する

    次の機会につながります。理由を一言添えると、相場観も残ります。

RFPが書けないときは

ここまで書いておいて矛盾するようですが、RFPは必ずしも必要ではありません。pegに届くご相談の多くは、RFPどころか仕様書もない状態から始まります。

書けない理由はだいたい決まっています。いまの仕組みの中身を説明できる人が社内にいない、何が問題なのかは分かるが言葉にできない、そもそも何を作れば解決するのか分からない。どれも珍しいことではありません。

pegでは、いま使っている画面、印刷している帳票、Excelのファイル、そして日々の業務を担当している方へのヒアリングを材料に、こちらで機能一覧と進め方を整理してご提案します。発注側でエンジニアを用意していただく必要はありません。整理した内容は、そのまま他社に渡せる資料としてお使いいただいてかまいません。

その場で試したい方は、見積シミュレーターをお使いください。企画書・仕様書・書きかけのメモなど、手元の資料を入れると、機能の一覧と概算の見積がその場で出ます。無料です。概算見積書は、メールアドレスの確認後に表示します。出てきた機能の一覧と概算見積書を、そのままRFPの3〜6項目の下書きに使えます。

よくあるご質問

QRFPは何ページくらい必要ですか?

A

A4で2〜3枚で十分です。長さより、困っていることと目的がはっきり書いてあるかが重要です。参考資料(画面の写真、帳票、Excelの実物)は別添にしてください。

Q技術的なことが分からなくても書けますか?

A

書けます。むしろ技術の指定は書かないほうがよい提案が集まります。「Windowsのパソコンで使う」「会員はスマートフォンから使う」のように、使う場面を書いてください。

Q何社に送るのが適切ですか?

A

3〜5社です。多いほど良い提案が集まるわけではなく、対応の手間が増えるだけです。規模の違う会社を混ぜると、金額の幅が見えて判断しやすくなります。

Q予算がまだ決まっていない場合はどう書けばよいですか?

A

「予算は未定のため、規模別に2案ご提示ください」と書いてください。各社が最小構成と推奨構成を出してきます。その金額を見てから社内の枠を決めるほうが、現実的です。

Qこのテンプレートは自由に使ってよいですか?

A

ご自由にお使いください。出典の記載も不要です。改変も問題ありません。

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仕様書がなくても、社内にエンジニアがいなくても大丈夫です。実現したいことを伺い、進め方と概算をご提案します。ご相談は無料です。