サポート終了で何が起こるのか
OSやソフトウェアのサポートが終了すると、一般的に、提供元からのセキュリティ更新や不具合の修正が行われなくなります。その後に新しい弱点が見つかっても修正されないため、使い続けるほど安全面の心配が大きくなっていきます。
業務システムでは、次のような影響も考えられます。
- 新しいパソコンを購入すると、古いOS向けのシステムが動かない
- ブラウザやプリンタなど周辺のソフト・機器が、古い環境に対応しなくなる
- システムを作った会社の保守が終了し、困ったときに相談できない
サポート終了の時期は製品ごとに異なり、提供元の公式サイトで案内されています。自社で使っている製品については、提供元の公式情報で確認してください。社内で情報を共有するときも、確認した公式ページの場所を一緒に残しておくと、後から見直しやすくなります。

最初に確認したいこと
サポート終了が分かったら、まずは影響の範囲を把握します。技術的な知識がなくても、次の点は社内で確認できます。
- 1
対象の製品と時期
どのOS・ソフトウェアが、いつサポート終了になるのかを、提供元の公式情報で確認します。
- 2
影響を受けるシステム
そのOSやソフトウェアの上で動いている業務システムを洗い出します。パソコンごとに、使っているシステムを書き出すと漏れが減ります。
- 3
システムの作り手と保守の状況
システムを作った会社、保守契約の有無、問い合わせ先を確認します。担当者が分からない場合は、契約書や請求書が手がかりになります。
- 4
手元にある資料
操作マニュアル、設計資料、業務の規程など、システムについて分かる資料を集めておきます。
ポイント:確認した内容は一覧にしておく
「製品名」「サポート終了の時期(公式情報の場所)」「影響を受けるシステム」「作り手・問い合わせ先」の4列の表にまとめておくと、社内での相談や依頼先への説明にそのまま使えます。
更新の選択肢を比べる
対応の方法は、大きく分けて次のような選択肢があります。どれが適しているかは、システムの作りや、今後どのように業務を続けたいかによって変わります。
| 選択肢 | 内容 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 環境だけ新しくする | システムはそのままに、OSやソフトウェアを新しいものに入れ替える | 新しい環境でも動くことが確認できている |
| 改修する | 新しい環境で動くように、システムの一部を作り直す | 今の機能で業務が回っており、作り手の協力を得られる |
| 作り直す | 今のシステムを参考に、新しいシステムを作る | 業務と合わない部分が多い、作り手に相談できない |
| 既製品に移る | 市販のサービスやパッケージに乗り換える | 業務が一般的で、既製品の使い方に合わせられる |
サポート終了は、業務の困りごとを見直す機会でもあります。「環境だけ新しくする」ことができても、日頃から不便を感じている部分が多いなら、この機会に作り直しを検討する価値があります。費用の考え方は老朽化した業務システムの置き換え費用を抑える進め方で詳しく解説しています。
業務システムを入れ替える進め方
作り直しや既製品への移行を選んだ場合の、基本的な進め方を紹介します。
今のシステムでできていることを書き出す
入れ替えで起こりがちなのが、「新しいシステムに、前はできていた処理がない」という問題です。今のシステムの画面を一つずつ見ながら、どんな情報を登録し、何を出力しているかを書き出しましょう。画面を撮影して並べるだけでも、十分な材料になります。
あわせて、使っていない機能や、システムの外で手作業している処理も書き出しておくと、新しいシステムで何を残し、何を加えるかを決めやすくなります。
データを引き継ぐ準備をする
長く使ってきたシステムには、会員情報や取引の記録など、大切なデータが蓄積されています。データを取り出せるか、どんな形式で取り出せるかを早めに確認しましょう。同じ人が二重に登録されている、入力の仕方が途中で変わっているなど、移す前に整理が必要なこともあります。
切り替えの時期と方法を決める
新しいシステムへの切り替えは、業務の繁忙期を避けて計画します。一定期間は新旧のシステムを並行して使い、結果が同じになるかを確かめる方法もあります。また、サポート終了の時期から逆算して、試しに使ってみる期間と、操作に慣れる期間も確保しておきましょう。
入れ替えで気をつけたいこと
「今と同じもの」を目指しすぎない
今のシステムの不便な部分まで再現すると、入れ替えの意味が薄れます。
現場の担当者に話を聞く
マニュアルにない運用や例外的な処理は、日々使っている人が一番よく知っています。
時間に余裕を持って始める
サポート終了の直前に動き出すと、選択肢が限られてしまいます。
社内の役割分担を決めておく
入れ替えは、情報システムの担当者だけで進められるものではありません。次のような役割を、あらかじめ社内で決めておくと進めやすくなります。
| 役割 | 主な仕事 |
|---|---|
| 取りまとめ役 | 依頼先との窓口、スケジュールの確認、社内への共有 |
| 業務の担当者 | 今の業務の流れや例外的な処理の説明、画面の確認 |
| 決裁する人 | 選択肢や予算の判断、切り替え時期の決定 |
取りまとめ役に技術の知識は必要ありません。業務のことを分かっていて、関係者に声をかけられる人が向いています。
pegの進め方:既存システムを「要件の材料」にする
入れ替えの際、「今のシステムの仕様書が残っていない」「作った担当者がもういない」ということは珍しくありません。pegは、今動いている既存システムとヒアリングを材料に、新しいシステムの要件を整理します。
日本眼科医会の事例
日本眼科医会の会員管理システムでは、大手ITベンダーが構築した約3億円規模の会員管理システムの老朽化とWindowsのサポート終了をきっかけに、既存システムとヒアリングのみで新しいシステムを構築しました。会員管理などのシステムを持つ団体・協会の方は、協会・医会向けのご案内もご覧ください。
関連するコラム:会員管理システムはパッケージか個別開発か/業務システムは内製か外注か/コラム一覧
よくあるご質問
Qサポートが終了したOSで、業務システムを使い続けても大丈夫ですか?
一般的に、サポート終了後はセキュリティ更新が提供されなくなるため、使い続けるほど安全面の心配が大きくなります。対象製品のサポート期間は提供元の公式情報で確認し、早めに対応を検討することをおすすめします。
Q仕様書が残っていない古いシステムでも入れ替えられますか?
入れ替えられる場合が多くあります。今動いているシステムの画面や出力、操作マニュアル、業務の規程、現場の担当者へのヒアリングが要件の材料になります。pegでは、既存システムとヒアリングをもとに要件を整理します。
Q入れ替えの準備はいつ頃から始めればよいですか?
対象製品のサポート終了時期から逆算し、要件の整理、開発、データ移行、試しに使う期間、操作に慣れる期間を確保できるよう、余裕を持って始めるのが理想です。まずは影響を受けるシステムの洗い出しから始めましょう。
Q社内にシステムに詳しい人がいなくても進められますか?
進められます。pegの進め方では、発注側に要件定義書の作成を求めません。今の使い方や困りごとを業務の言葉でお話しいただければ、pegが要件として整理します。
あわせてお使いください
3つの質問でわかる簡易診断:期限が迫っているときの進め方が分かります。
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入れ替えの引き金になる5つのこと、年数が目安にならない理由、直す・足す・作り直す・そのまま使うの選び分けを整理しました。
まずは話すところから
仕様書がなくても、社内にエンジニアがいなくても大丈夫です。実現したいことを伺い、進め方と概算をご提案します。ご相談は無料です。
