手間が集中している3か所
1. 申込の受付と名簿づくり
FAX・メール・郵送で届いた申込を、人がExcelに打ち直しています。氏名の漢字、生年月日、所属、資格番号。転記のたびに間違いが混ざります。定員管理やキャンセル待ちも手作業です。
2. 出欠と受講時間の記録
紙の署名を集めて、後からExcelに入力する。遅刻・早退の扱い、途中退席の時間。ここが正確でないと、修了の判定ができません。
3. 修了要件の判定
受講時間が足りているか、必要な科目をすべて受けているか、実技の時間を満たしているか。これを1人ずつ確認する作業が、いちばん神経を使います。
3つとも、判断のルールが決まっているのが特徴です。決まったルールの適用は、機械のほうが速く、間違えません。

工程ごとに何をオンラインにするか
| 工程 | オンラインにすると | 効果 |
|---|---|---|
| 申込受付 | Webフォームから直接名簿に入る。定員とキャンセル待ちも自動 | 大(転記がゼロになる) |
| 受講料の収納 | 払込票の発行、入金の消込 | 中(決済を入れるかで変わる) |
| 受講者への連絡 | 案内メールの一斉送信、会場変更の連絡 | 中 |
| 出欠・受講時間 | 受付での読み取り、または講師端末からの記録 | 大(後からの入力がなくなる) |
| 修了要件の判定 | 条件を満たした人/満たさない人を自動で一覧表示 | 特大(確認作業がなくなる) |
| 修了証の発行 | 番号の自動採番、印刷用データの一括出力 | 大 |
| 修了者名簿の保管 | 年度ごとの検索、再発行の対応 | 中(数年後に役立つ) |
効果がいちばん大きいのは申込受付と修了要件の判定です。この2つだけでも先に作る価値があります。
制度の要件をどう組み込むか
講習の仕組みで難しいのは、機能ではなく制度の要件を漏れなく反映することです。ここは団体ごとに違い、一般的なパッケージでは吸収しきれません。
pegがドローン操縦士協会の講習管理を作ったときは、次のような要件を仕組みに組み込みました。
- 実技の受講時間が10時間に満たない受講者は、修了にできない
- 所定の要件を満たしていない講師の講習は、受講記録として認めない
- 各受講者が修了要件を満たしているかどうかを、一覧で確認できる
こうした条件は、たいてい規程や告示に書かれています。作り始める前に、条文と実際の運用の両方を書き出してください。条文どおりでない運用が混ざっていることもあり、そこを先に整理しておかないと、あとで大きな手戻りになります。
いちばん危険なのは「例外」
「原則は10時間だが、この場合は補講で認めている」「本来は当日発行だが、この条件のときだけ後日郵送」。こうした運用は文書に残っていないことが多く、担当者の頭の中にあります。書き出しにはヒアリングシートをお使いください。
修了証の発行で決めておくこと
修了証は、あとから問い合わせが来る書類です。次の5点を先に決めておくと、数年後に困りません。
| 決めること | なぜ必要か |
|---|---|
| 番号の付け方 | 年度・講習種別・連番のどれを含めるか。一度決めると変えにくいので、最初に決める |
| 再発行の扱い | 同じ番号を使うのか、枝番にするのか。何年前まで対応するのか |
| 記録の保管期間 | 制度で定められている期間と、団体としての方針 |
| 紙かデータか | 郵送が必要か、PDFのダウンロードでよいか。偽造防止をどこまでやるか |
| 氏名の表記 | 旧字体、外国籍の方の表記。印刷に使う文字の範囲 |
進め方の順番
- 1
1年分の業務を書き出す
何月に何をしているか。講習の回数、繁忙期、締切。年に一度しかない作業ほど忘れやすいので、カレンダーを見ながら書き出してください。
- 2
規程と実際の運用の差を洗う
条文どおりにやっていない部分を先に見つけます。作り始めてから出てくると、そのたびに止まります。
- 3
申込受付から作る
入口を直すと、その後の工程の手間がまとめて減ります。転記がなくなるので、間違いも減ります。
- 4
次に修了判定と修了証
いちばん神経を使っている作業を機械に渡します。判定の条件は、前の章で洗い出したものをそのまま使います。
- 5
繁忙期を避けて切り替える
講習の回と回の間に切り替えます。並行して1回分だけ両方で運用すると、安心して移れます。
Excelからの移行でつまずきやすい点は「講習・研修の受講管理をExcelから移行するタイミングと手順」にまとめています。
pegの進め方
pegは、資格・講習を運営する団体の仕組みを実際に作っています。ドローン操縦士協会では、講習と実技時間の管理、講師の要件、修了要件の判定までを含めて構築しました。
進め方は、いまお使いのExcelと、実際に印刷している申込書・受講票・修了証、そして事務局の方へのヒアリングから始めます。仕様書は不要です。規程の条文と実務のずれも、ヒアリングの中で一緒に整理します。
機能一覧と費用の目安を先に知りたい方は、見積シミュレーターをお使いください。無料です。概算見積書は、メールアドレスの確認後に表示します。
よくあるご質問
Qeラーニング(オンライン受講)にも対応できますか?
対応できます。ただし制度によって、オンラインで認められる範囲や受講時間の計測方法が定められている場合があります。まず所管の要件を確認してからの設計になります。
Q受付でのQRコード読み取りはできますか?
できます。受講票にQRコードを印刷し、会場の受付で読み取って出席を記録する形が一般的です。
QいまのExcelの名簿をそのまま移せますか?
移せます。移行の前に、重複や表記のゆれを整理する作業が必要になりますが、この部分は事務局側で担っていただくこともできます。そのぶん費用を抑えられます。
Q講習の種類が複数あっても対応できますか?
できます。種類ごとに修了要件や受講時間が違う場合も、条件を分けて設定できるように作ります。
Q所管官庁への報告資料も出せますか?
出せます。必要な様式を見せていただければ、その形で出力できるようにします。
あわせて読みたい
検定・認定試験の申込から合否通知までを1本につなぐ|受験要項が決めていることを、そのまま仕様にする
修了の判定を、毎回人の目で確かめなくてよい形にする|登録講習機関の合否判定基準を、システムの仕様に直す
講習・実技の時間記録を、あとから証明できる形で残す|登録講習機関の帳簿を3年間たどれるようにする
協会・団体の会員向けマイページを作るときに決めること|会員が自分で登録内容を変えたり入金状況を見られる形にするとき、確認を挟む項目と挟まない項目の切り分け方を整理しました。
新しい業務システムを職員に使ってもらうには|研修とマニュアルの決め方
申込から修了証までをオンラインにしたあと、事務局と受講者に使ってもらう段取りです。
まずは話すところから
仕様書がなくても、社内にエンジニアがいなくても大丈夫です。実現したいことを伺い、進め方と概算をご提案します。ご相談は無料です。
